薄っぺらい人間だと感じた
20代は、ただむしゃらに走っていた。
そのうち、部下ができたり、リーダーを任されるようになった。与えられた業務以外に増えてきたものが多く感じた。
充実感とは違うかもしれないが、不満ではなかった。任せられるたびに、なにか頼られている気がしていた。
でもいつの日か、こころのどこかでこうささやき始めていた。
「なんか薄ぺらい人間だな」
専門分野の知識や流行り・人間関係は、積みあげてきた。でも、自分自身はなにか成長している感じがしない。
まるで着飾ったように、外面だけが立派で、中身に変化がない。これからなにがしたいんだ。
「まだ若いんだから」と相手にされない
年配のかたに相談しても、けんもほろろ。
確かに世間では30代は若い部類なのかもしれないが、あなたはそう思えなかった。
出世の早い同僚や同世代の活躍を耳にすると、やきもちしてしまう。ましてや、ニュースで取り上げられる10代・20代のアスリートたちの活躍を知ると、尚更、彼らとの差を思い知らされる。
「才能があればなぁ・・・」
こういったときに頭に浮かぶのが資格の取得。スキルの証明にもなるし、わずかながら手当もつく。でもそれも気晴らしだと気づく。焦りからこころのスキマを埋めているのに過ぎないのだから。
それならば、なにをすべきか
文章力をつけること。
コピーライティングやプレゼンテーションとなぜか横文字表記が多いが、文章力を磨くことは今後の人生において無駄ではないといえる。
一見文章力というと、派手なキャッチコピーばかり浮かぶが、大事なのはそこではない。
プレゼント選びを考えるとわかりやすいかもしれない。あなたはプレゼントを贈ったことはあるだろうか。一度はどこかで誰かにあるはず。
プレゼント贈りでは、どんなことに気を配るだろうか。もちろん、相手が喜ぶこと。渡したときに一番いい顔をしてくれること。この場面を想像しながら、プレゼントを選ぶと、あなた自身もワクワクして楽しいし、相手に渡すときにも、気持ちが乗りやすい。
つまり、プレゼント選びにおける一番の肝、相手が喜ぶ顔を想像することが、文章力でもあると云える。
「なにをいっているんだ、こやつは!?」
言葉足らずでごめんなさい。
相手が喜ぶ顔を想像していると、頭で浮かぶことは・・・
- 相手が受け取ってうれしいものは何か
- 一時の幸せにかけるか、形が残るものか
- 置き場所にこまらないものか
- 他に代用できるものか など
受け取り相手の趣味や好み・受け取った後の処遇などを考えていくはずです。この思考過程こそ、文章力そのものといっても過言ではない。つまり、文章力をつけるとは、相手が喜ぶまでの道筋を考えて実行することでもある。
30代からでも遅くない、むしろ早いぐらい
資格取得に情熱をささげるのも悪くはないが、資格を得てから、どう人生を歩んでいきたいかのほうが重要。
そのための用心棒として、文章力を磨くことはその後の人生で役立つ。相手を思いやり、相手に役立つことを添え、相手に喜んでもらう。この一連の流れを再現できるなら、このさき、食べていくことでの不安は大幅に減る。プレゼントも商売も相手がいてこそ。相手が喜んでこそ成り立つもの。
30代で文章力を磨いていけば、10年・20年・30年と言葉が存在し続ける限り、廃れることはない。努力を怠らなければ、むしろ研ぎ澄まされたスキルになる。
30代でスキルなしと落ち込むなかれ。今から始めれば大いなる自信と力を手に入れられる。そう考えれば、30代は若いのかもしれない。