古くて新しい生活の知恵
古くから、晒(さらし)は、手拭い・寝巻・布おむつなど日常生活で使われてきた代物だった。石油・レーヨン繊維などに押されて、誰からも見向きされることなく消えた。
そう思われた。ところが、再び晒が注目を浴びている。代表格が和晒のさささ。
生産したのは、武田晒株式会社。明治44年創業、和泉(今の大阪府)の地に根を下ろし、和泉和晒の伝統を今に伝える。この会社が世に送り出した和晒が、ある利用者のこころをつかんで離さない。
エシカルな生活を夢見る人たちが描く世界観
地球環境にやさしい(エコロジカル)のは当たり前。つくる側だけでなく、つかう側も地球環境に気を遣おうよ!そうした考え方が広まっている。「エシカル消費」だ。
エシカルってなに?
エチカ、つまり倫理的って意味だよ。環境に気遣って買い物をしているかと問いかける考え方といってもいいね
なるほど!エチカ
もうひとつ考えられるのは、e(エコロジー)をthink(考える)でethical(エシカル)。ふたつの意味でエシカル!と踏んでいるんだけどね・・・
※あくまでも飼い主の見解です。
まさかのダジャレ!?
・・・ともかく、エシカル消費の広まりが和晒を再び表舞台に引っ張り出した。では、さささはどう向き合っているのか。
さささが提供する世界観
ごみを減らせる
使い始めるきっかけで多いのが、ごみの量。使い捨てのプラスチック容器など、手軽ゆえにごみになりやすい。はじめは少量でも、1日・1週間・1ヶ月と範囲を広げていくだけで、途方もないごみの量になるのは想像できる。そうしたときに思い当たるのが、
「くりかえし使えるのがいい」
一度使ってごみになるのなら、再利用できるほうがいい。その願いを叶えてくれたのが、和晒だった。
キッチンペーパーやラップの使用頻度が少なくなり、ゴミが少なくなりました。これまで何の罪悪感もなく使い捨てし続けてきたアイテムたちは、今はどうしてもの時だけ使うようになりました。
楽しみながら、地球に優しくありたい。「エシカルな暮らし」を目指す私が買ってよかった3つのアイテム goodroomsより
お手入れも煮沸するだけのシンプルな上に、繰り返し使えるので愛着も湧いてきています。
水で洗えば、ラップも再利用できない?
それは難しいな。ラップだとくっつきやすくて使いにくいからね。
そういった面からも、和晒が評価されているのかもね
なお、普段は石鹸洗いでもOKとのこと。煮沸消毒はたまに行えばいいので、肩ひじ張らずに扱えそうではないか。
無限の使い道
用途が限定的でない。つまり、発想次第で無限の使い方ができる。実際、ある利用者は、野菜の水切り・おにぎりを握るラップ代わり・コーヒーフィルターとして愛用している。
もともと少なかったキッチンペーパーやラップの使用がほぼなくなりました。
暮らしに溶け込む、エシカルなアイテム。環境に配慮したい私が買ってよかった、3つのアイテム goodroomsより
コーヒーフィルターも不要になり、消耗品の在庫管理もなくなったことも嬉しいポイントです
せいろの敷布として使っている利用者もいたね
ひとにもやさしい
いくら地球にやさしい商品でも、使い心地が悪いと心もとない。和晒のさささに至っては心配無用。
生産過程にもこだわっており、eco晒と呼ばれるほど、環境負荷が少ない。それだけでなく、化学薬品にも気を使っているため、赤ちゃんや肌の弱い方でも使うことができる。
それだけではない。
食品衛生法に適応・ミシン目・はさみ問わずに簡単に切れる使いやすさ・はじめて手に取る方にもなじむ正方形の晒など、利用者の使いたい・試したいを極限まで引き出すさささの心意気が感じられないだろうか。
まとめ~エシカルな消費に突き刺さる言葉~
和晒のさささが、エシカル消費を目指した生活に向けて、どんな世界観・言葉を選んでいるのか改めて振り返ってみよう。
- くりかえし使えて、ごみを増やさない
- 野菜の水切り・皿拭き・コーヒーフィルターなど無限の使い道
- 少ない負荷で地球にもひとにもやさしい
和晒を使うことで、地球環境に気を遣っている姿を、頭の中に思い描けるようになっている。理想の世界観と実際の姿にぶれがない。だからこそ、支持されているのがよくわかる。
なにより、言葉だけでなく、こだわりの生産方法や伝統を今に伝えたい思いといった裏付けがしっかりしているからこそ、惹かれる魅力があるのだと感じる。
いかがだっただろうか。「和晒のさささから学ぶ、狙った層に突き刺さる言葉の選び方は」はこれにてお開き!ありがとうございました。