コピーライティング(セールスライティング)を書くときに注意されるのが、
「相手の立場になって書きなさい」
相手がどう見ているのか。どう考えているのか。さらにいえば、どう気持ちの変化が起こっているのか。そうした些細な移り変わりをとらえるのは間違っていません。むしろ、どんどん積極的に学んでほしいことです。
とはいえ、客観的視点(以下:客観)では物足りません。それでは狭いです。
例えば、あなたはカフェで働いているとします。
店内ではお客さんであふれています。それぞれのお客さんを眺めていると、コーヒーや紅茶片手にくつろいでいたり、ニュース記事や書籍を読んでいたり、仕事を片付けていたりと思い思いの過ごし方をしているのが、見て取れると思います。

カフェというと、ウエハース入りのパフェのイメージ
ひとりのお客さんを眺めるよりも、全体を眺めることで、お客さんの状況を知り得られます。そうすれば、呼びかけにも応じられますよね。
われわれはそれを、俯瞰的視点(以下:俯瞰)と呼んでいます。

今日は大変だ
きゃっかんて(がんばって)やらないと
ふかん(わかん)なくなりそうだ

主(あるじ)さんのだじゃれのほうが、わかんないよ
客観と俯瞰の違い
カフェのたとえをそのまま引き継ぐと、わかりやすいかと思います。
客観 → あなたの目の前のお客さん(単体)
俯瞰 → あなたの視界にとらえているお客さん(複数)
お客さんによって快適さの感じ方は、まちまちです。
「このコーヒー飲むと、覚めがいいんだよね」
「このコーヒーマグカップ、ちょっとあつい・・・」
「この時間はなんだか、にぎやかだな」
「照明、少し落としてくれないかな」
「このケーキ、おいしい♪」
「冷房効きすぎ・・・」
周りを見渡しながら接客すると、さまざまな声を耳にすることができます。
つまり、俯瞰とは全体図でとらえるということです。

この店、そもそも儲かっているのかな
俯瞰で文章を書いていくには
全体図でとらえるのはわかっても、それをどうコピーライティングに生かしていけばいいのか?
先ほどのカフェの例を挙げれば、お客さんがどう過ごしているかを、接客しながら気づくことが出てくるはずです。
それは、お客さんが快適・不快に感じることです。
一部抜き出してみると、
快適さ
「このコーヒー飲むと、目覚めがいいんだよね」
(リピーターであり、変えてはいけない部分)
不快さ
「照明、少し落としてくれないかな」
(明るさは難しいけども、変えていく部分)
コピーライティングでも、快適さ(お客さんにとってプラスのこと)と不快さ(お客さんにとってマイナスのこと)を洗い出すことは、大事な作業になります。
なぜならば、不快に感じたまま読み続けるのは苦痛なものです。どんなに快適に向かう未来を提示しても、
「また今度にします」
そう言い残して去ってしまうのがオチです。だからこそ、お客さんの快適さ・不快さの洗い出しと不快さの取り除き作業は大切なのです。
とはいえ、不快さを完璧に取り除くのは至難の業でしょう。
たとえ完璧でなくても、不快さを減らす手間はかけることで、お客さんの苦痛は和らげてあげられます。
照明の明かりを少し、落としてあげるように・・・。

暗くなったら今度は、ウトウトしてきた
むすびに
コピーライティングを書くなら、客観よりも俯瞰にすべき理由
- 全体を眺めることで、お客さんの状況を知り得やすい
- グループ化することで、傾向(年齢・趣向・希望など)をとらえやすい
- 快適さ、不快さを明確にしやすい
特定のお客さんに向けるよりも、同じ悩みや疑問をもったお客さんに向けるほうが、
「うんうん、わかるよ、その気持ち」
そう思ってもらえやすいことも、俯瞰でとらえる利点ともいえます。

ちなみにカフェつながりでひとつ・・・
頼んだコーヒーと提供されるコーヒーが違うのはあるある?
以前、ホットコーヒーを頼んだら、オレンジジュースを渡されかけたことを思い出しました。

そもそもカフェに入れません(泣)
追い出されます(寂)

ちなみに家では、水すら出ないことがあります
どうして?

・・・それはごめん
これにて、コピーライティングは俯瞰で書くべしの巻、完了です。
追記
コピーライティングは俯瞰でとらえて書いたとしても、お客さんに対しての返事のやり取りは、誠実に向き合うことをオススメします。
せっかく、あなたに連絡をしてくれたわけですから、突き放す必要はありません。むしろ、抱きしめてあげるくらい、対応しちゃいましょう。
あなたの想いは通じることでしょう。いや通じます。そう願って歩んでいきましょう。
それでは別の記事でまた会いましょう。
さらばだ~