- 文章を書いていて何だか味気ない
- 単調すぎて印象に残らない
- 文章がかたいといわれる
そんなかたにぜひ使ってもらいたいのが、倒置法です。
「倒置法?なんだか昔、国語の時間に習ったような・・・」
昔の記憶をたぐり寄せながら、改めて学んでみませんか。

倒置法か・・・うまく説明できなかったら、とうちほう(どうしよう)
・・・気を取り直して、さっそくまいりましょう。
倒置法の概要
倒置の名前通り、文章の述語と主語を入れ替えたものが、倒置法です。
例えば、
今にもわたしの心が張り裂けそうです
これを倒置法にすると、
今にも張り裂けそうです、わたしの心が
どちらの文章も、心が追い詰められているのは伝わります。ですが、より際立っているのは、倒置法の文章ではないでしょうか。
主語を強調したい・印象付けたいときに使える技法ともいえます。
倒置法の用例
なるほど。意味はわかったが、どんなところで使っているのだろう。
それこそ、テレビ・ラジオ・ネットなどのメディア広告だったり、チラシ・ポスターの見出しにも使われています。なるべくお客さんの目に触れてもらえる環境が適しているといえます。
なにより、長い文章よりも短い文章を得意分野としています。例えば・・・、
和歌
元々、歌を詠むための技法から生まれたものですから、当然といえば当然。
そんな自分の庭ともいえる歌の世界から3首厳選。
かりにたに いとふ心や なからまし ちらぬ花さく この世なりせば (鴨長明)
春霞 立ちなへたてそ 花さかり みてたにあかぬ 山のさくらを (空也上人)
こころあらむ ひとにみせはや つにくにの なにはわたりの はるのけしきを (紫式部)
主語が下の句になることで、余韻が生まれて、心地よさすら感じられます。
自らの心の声を相手に届けるために、想像力をふくらます方法ができたのでしょう。
選手応援歌
もうひとつ、倒置法がある世界を知っていますか。それが選手応援歌です。
「応援歌と倒置法・・・?」
ちょっと結びつかないですよね。

わかりません
ご安心を。個人的に気に入っている応援歌を2つほど例にお話しします。
早速見ていきましょう。
打ってくれ 勝利の一撃を 見せてくれ 職人の技を (高沢秀昭)
見せてくれ 見せてやれ 超スーパープレーを ハマの風にのった男の意地を (市川和正・金城龍彦)
どちらも主語を後ろにすることで、目的が強調されて、より選手に向けて応援に熱が入りそうに思えます。
文章を上下反対にしただけなのに、選手に対して、親近感がわいてきませんか。

ミスしたら、野次とばすくせに
それとこれは別なんです。
体言止めとは違うの?
文章をひっくり返すのであれば、もうひとつあったような・・・。
そうだ!体言止めだ。倒置法とは違うの?そう思った方もいるのではないでしょうか。
はっきり言うと、違いはありません。

そうなの!?
しいていえば、体言止めは名詞単体となり、倒置法は、名詞・助詞(+てをはに)と文章の終え方に違いが出るぐらいです。
倒置法はコピーライティングに使うべきか?
ここまでの内容で、「倒置法っておもしろい」と感じ取ってもらえたでしょうか。
さて残るは、コピーライティングで使えるのか・使うべきなのか問題だけ。
文章を書くだけならば、上記の用例にかぎらず、ビジネスや公文書でもあてはまります。
ここで焦点になるのは、目的です。コピーライティングの目的は、文章を書いて読み手が納得してもらえるかどうかです。
納得してもらう文章に倒置法が含まれていたか・・・考えるまでもなく、ないです。
説明文に使うのは避けて、見出しに使うのであれば、許せる範囲内です。
とはいえ、多用は控えるように。どんなに奇抜にみえても、多くなれば単調に感じられ、しまいには読んでくれなくなりますから、お気を付けください。
むすびに
味気ない・単調・かたい文章を和らげる倒置法は
- 和歌や選手応援歌のような共感を呼ぶ場面で使用
- コピーライティングのような納得が必要な場面は不使用
以上のような線引きを守っていただければ、無用なもめ事は避けられるはずです。
技法を学ぶのもいいですが、一番おすすめしているのは、相手を思いやって文章を書くことです。そうすれば、おのずとわかりやすく、読みやすい文章を仕上ることができます。ぜひ腕を磨いて、お相手にあなたの想いを届けてあげてください。
もし、このサイトが参考になれば幸いです。
さ~てと、終わったことだし、借りていたDVDでも一気観しようかな。

何借りてきたの?
教えてあげましょう。それはね・・・
太平記!

まさかの大河ドラマ!?
それではまた別の記事で会いましょう!
バイバイ